この記事を見ていただいているということは、あなたも結婚式の祝辞を依頼されたようですね。
※正確に言うと「結婚披露宴」ですが、「結婚式」と書かせていただきます。
今まで結婚式には参加したことがあり、人のスピーチは聞いたことがあっても、いざ自分がやるとなると、 どうしたら良いものかと戸惑ってしまいますよね。
私は比較的人前で話すのが得意な方で、社長の前や客先で重要なプレゼンをしたりする機会も多いのですが、それほど緊張することもなく、ほぼ平常心で喋れます。
そんな私でも、いやおうなしに緊張するのが、結婚式の主賓の挨拶です。
私はこれまでに5回、結婚式で主賓のスピーチをしたことがありますが、何度やっても緊張します。
結婚式は、新郎新婦のお二人にとっては、一生に一度きりの一大イベントです。
しかも、失敗したからといって、やり直しはゆるされません。
友人代表のスピーチなどであれば、既に参列者もお酒が入っており、食事をしながら聞くので、会場もリラックスした雰囲気です。
中にはおしゃべりしてる人もいたりして、かしこまって聞いている人はほとんどいません。
しかし主賓の挨拶は、 まだお酒が入っておらず、食事にも手をつけていない状態です。
会場は静まり返ってピンと張り詰めた空気が漂っており、皆がかしこまってあなたの方に注目しています。
そんなシチュエーションで、先陣を切って挨拶をするのですから、 緊張するなというほうが無理な話です。
でも大丈夫です。
これからお話しする基本構成と5つのコツをおさえれば、きっとうまくいくと思います。
スピーチの基本構成
スピーチの基本構成は、次の5つです
- 自己紹介
- お祝いの言葉
- 新郎新婦のエピソード
- はなむけの言葉
- 結びの言葉
自己紹介
まずは簡単に自己紹介をします。
結婚式の主役は新郎新婦で、 あなたではありませんので、あなた自身のことを長々と説明するのはやめましょう。
あなたがどんな人なのか、 新郎あるいは新婦との関係を、簡単に説明するだけで良いです。
ただ今、ご紹介にあずかりました、新郎の×○○君の上司の□□ と申します。
お祝いの言葉
ここは、形式どおりで構いません。
主賓の挨拶は通常、参列者が立った状態でスタートしますので、
お祝いの言葉を述べた後は、参列者に着席を促してください。
〇〇君、△△さん、ご結婚おめでとうございます。
そしてご両家の皆様に、心よりお祝いを申し上げます。
このようなおめでたい席にお招きいただき、たいへん光栄です。
僭越(せんえつ)ではございますが、ご指名をいただきましたので、お祝いのご挨拶をさせていただきます。
皆様どうぞご着席ください。
新郎新婦のエピソード
さていよいよスピーチの本題に入ります。
ここでは結婚式で定番の「三つの袋」のような鉄板ネタの話をするという手もありますが、
私はあまりお勧めしません。
参列者の中には頻繁に結婚式に参加している人もいるので、「またその話か」と思われてしまう可能性があるからです。
やはりここは、新郎新婦にまつわるオリジナルのエピソードを話したほうが、皆に興味を持って聞いてもらえます。
できれば新郎または新婦の人柄が分かって、相手側の両親や親族が安心するような、心温まるエピソードが良いのです。
もし、良いネタが思いつかないのであれば、新郎または新婦の普段の仕事ぶりを、話せば大丈夫です。
ただし、仕事ぶりをありのまま話すのではなく、盛るのを忘れないでくださいね。
ありもしない作り話を言うのはダメですが、本人の長所や実績などを膨らまして話し、わざとらしくない程度にヨイショしてください。
私の今までの経験で言うと、新郎新婦の普段の仕事ぶりについて話しをすると、意外と新郎新婦のご両親や家族に喜ばれます。
特にご両親は、普段自分の子供がどのように仕事をしているのか、あまりよく知らないケースが多く、会社の役に立っているのか心配しています。
上司の口から、自分の子供の仕事ぶりや、「活躍しています」「会社に貢献しています」という言葉を聞くと安心します。
- 自分の子供が会社でどんな仕事をしているのか、祝辞を聞いて初めて知った。
- 会社の役に立っているようで、ほっとした。
というような事をご両親によく言われます。
結婚式では新郎新婦のご両親が準主役ですから、ご両親に喜ばれる話は、祝辞としてふさわしいと思います。
間違っても、面白話をしようとして過去の恋愛話をしたり、下ネタはダメですよ。
・〇〇君は、後輩の面倒見がよく、若手社員からとても慕われています。
仕事もできて人望もあるので、将来が楽しみです。
・〇〇君は、社内でも営業成績がトップクラスで、先日社内で表彰されました。
弊社が安泰でいられるのも、〇〇君の実績によるところが大きいです。
・〇〇君は、有言実行タイプで、自分が言ったことは必ず最後までやり遂げます。
上司の私から見てもとても信頼できる存在です。
などなど。
はなむけの言葉
ここではあまり説教臭くならない程度に、結婚生活がうまくいくための秘訣などを手短に話すと良いでしょう。
名言、格言などを引用するのも良いですが、私がいつもお話しするのは「魔法の言葉」についてです。
さて、これからお二人で手を取り合って結婚生活を歩み始めるわけですが、
人生の先輩として、結婚生活がうまくいくための秘訣、「魔法の言葉」をご紹介したいと思います。
魔法の言葉と言っても、ハリーポッターが唱えるような魔法の呪文ではありません。
「ありがとう」と「ごめんなさい」というごくありふれた言葉です。
今はまだお二人とも相手を思いやる気持ちがあって、この言葉を素直に言えると思いますが、結婚生活が長くなると、なかなか言えなくなってくるものです。
相手が何かしてくれた時は、そのくらい当たり前と考えずに「ありがとう」と言って感謝の気持ちを表しましょう。
逆に自分が、悪いことをしてしまった時は、素直に「ごめんなさい」と言う事が大事です。
この魔法の言葉を唱えて、いつまでも相手を思いやる気持ちを忘れずにいてください。
結びの言葉
ここも形式どおりで構いません。
以上をもちまして、私からのはなむけの言葉とさせていただきます。
本日は誠におめでとうございます。
スピーチを成功させるコツ
スピーチを成功させるためのコツは、5つあります。
- 事前のインタビュー
- 話の長さ
- 原稿を読まない
- ゆっくりとしゃべる
- 禁句
事前のインタビュー
- 結婚する相手はどんな人なのか?
- 二人のなれそめは?
- 何か言って欲しい事、言って欲しくないことはあるか?
などを、スピーチを頼まれたら事前に簡単にインタビューすると良いです。
そこから話のネタが生まれてくるかもしれません。
結婚式当日、新郎新婦の名前は、必ず下の名前で呼びます。
結婚相手の名前も確認して、ど忘れしないように、スピーチのメモに書いておきましょう。
話の長さ
スピーチの時間は5分くらいを目安にして、長くても10分を超えないようにしましょう。
事前に何度か予行練習をして時間を測り、ボリュームを調整すると良いです。
一度、延々と20分ほど話した人にお目にかかったことがありますが、
先ほども言ったように、結婚式の主役はあなたではありません。
原稿を読まない
話す内容を全て原稿に書いて、それをそのまま読むのはおすすめしません。
下を向いて原稿に書いてあることを読んでしまうと、言葉が相手の心に響かないからです。
だからといって、原稿を丸暗記するのもはおすすめしません。
原稿の内容を思い出すことに神経が集中して話し方が固くなりますし、
緊張のあまり、しゃべることが全て飛んでしまう恐れもあります。
話す内容は箇条書きにしてメモしておき、それを時々見ながら話すのがベストです。
視線は会場にいる人たちの方を見ます。
話の脈絡で、その話を一番聞かせたい人の目を見て話すと効果的です。
多少話が下手でも構わないのです。
原稿を読むのより、相手の目を見てその時の自分の言葉で話したほうが、相手の心に伝わり、聞いてるほうも、良い話だったと感じるものです。
ゆっくりとしゃべる
緊張するとどうしても早口になってしまいます。
自分ではゆっくりすぎると思うくらいでしゃべって、ちょうど良いです。
早口でしゃべるより、ゆっくりしゃべったほうが、主賓としての風格も感じさせます。
禁句
一応、結婚式の場では禁句とされる言葉があります。
離婚を連想させる言葉 別れる、切れる、去る など
不吉な言葉 死ぬ、終わる など
重ね言葉 度々、重ね重ね など
一応気を付けて、なるべく言わないにようにしましょう。
まとめ
さて、結婚式に主賓として招待された時のスピーチについて、
基本的な構成と、スピーチを成功させるコツ を解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
スピーチを成功させるコツとして5点挙げましたが、その中でも特に私が強調したいのは
原稿を読まないということです。
多少言葉に詰まったりしても、相手の目を見ながら、話し言葉でしゃべるのが大切です。
余談
これまでにスピーチをした経験の中で、1度だけですが、ちょっと驚いたことがありました。
私がしゃべったスピーチのネタと、相手側の主賓のスピーチのネタが、カブってしまったのです。
二人ともオリジナルのネタだったので、本当に全くの偶然です。
私は新郎側の主賓で先にしゃべったので良かったのですが、相手は新婦側の主賓なので、私の後でしゃべりました。
私の話を聞きながら、内心、焦ったと思います。
「言おうと思ってたことを先に言われちゃいました。」と、バツが悪そうにしていました。
そんなことは滅多にないと思いますが、新婦側の主賓の場合は、万が一に備えて、予備のネタを考えておくと良いかもしれません。
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