あなたはなぜ働くのですか?そして幸せですか?マズローの欲求5段階説

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「あなたは、なぜ働くのですか?」
 
あなたは、そう聞かれてすぐに答えを返せますかか?
「そりゃあ、生きてくためには、お金が必要だからに決まってるじゃないか。
もしかしたら、そう答えるかもしれません。

それではもう一つ質問です。

 あなたは今、幸せですか?

すぐに「幸せです」と答えられる人はうらやましい限りです。
でも、改めてそう聞かれると、自分が幸せなのかどうか、考え込んでしまう人も多いのではないでしょうか?

働く目的が、お金を稼ぐことだとしたら、お金を手に入れれは幸せになれるのでしょうか?
この記事では心理学の世界では有名な「マズローの欲求5段階説」を使って、我々は何のために働くのか、そして、人間にとっての幸せとは何なのかを改めて考えてみようと思います。

アブラハム・マズローは、アメリカの心理学者で、「人間の欲求は階層構造になっており、低次の欲求が満たされるに従って、より高次の欲求が生じる。」という考え方に基づき、人間の欲求を5段階の階層で理論化しました。

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マズローの欲求5段階説とは

マズローの欲求5段階説の図
マズローの欲求5段階説の図

これはマズローの5段階説を説明する時によく用いられる図です。
下にあるほど低次の欲求、上にあるほど高次の欲求で、ピラミッド構造になっています。

Point!

5つの欲求には順番があり、低次のものから現れ、その欲求が満たされると次の高次な欲求が現れます。

それではそれぞれの欲求について、例を挙げながら説明していきましょう。

生理的欲求(第1段階)

生理的欲求は、人間が生命を維持するために最低限必要なものについての欲求です。
具体的には、空気、水、食欲、睡眠などです。
これらのものが、どれか一つでも欠けると 我々は死んでしまうため、必然的に他のどの欲求よりも最優先の課題となります。
これらの欲求が満たされていない状態は、人間にとって危機的な状況です。
例えば、何日も何も食べていなければ、「お腹がすいた。何か食べたい。」以外のことは考えられなくなりますし、何日も眠っていなければ、「眠りたい」以外のことは考えられなくなります。
これから説明する、より高次な欲求のことなど、考える余裕はないのです。

安全の欲求(第2段階)

安全の欲求は分かりやすく言うと、「安全に安心して暮らす」欲求です。
第1段階では、水や食料を確保して、飢えをしのぐことができました。
次には、 雨風をしのいで、不意に何者か襲われることのないよう、安心して寝るための家が欲しいと思うことでしょう。
そして、ただ生き延びるだけでなく、健康でいたい事故に遭いたくない安定した生活を送りたいという欲求が生まれてきます。
これらが、安全の欲求です。 

社会的欲求(第3段階)

この欲求は、「所属と愛の欲求」とも呼ばれています。
第2段階では、安心して安全に暮らせる家を手に入れました。
でも、人間は一生孤独では生きていけません。
次はきっと、一緒に生活する仲間が欲しいと思うことでしょう。
そして、できることなら愛する人と夫婦になって、家族を持ちたいと思うかもしれません。
共同体の一員となり、共同体のメンバーから受け入れられたい。愛されたいと思う気持ち。これが社会的欲求です。

承認の欲求(第4段階)

承認の欲求は、二つのレベルに分けられます。
低いレベルの承認は、他人からの承認で、他人から価値がある人だと認められることです。

第3段階であなたは一緒に生活する仲間や家族を手に入れました。
でも組織の仲間や家族から「あなたは役に立たないから、居ても居なくてもどちらでもいい」と思われたらどうでしょうか?
自分の存在に疑問を抱いてしまうのではないでしょうか?

人は社会や組織に所属すると、人から認められたい、尊敬されたい、注目を浴びたいと思うようになります。 これが他人からの承認欲求です。

高いレベルの承認は、自分自身による承認で、自分自身を価値ある人間だと思えることです。
高い技術や能力を習得して、自分自身を信頼し尊重することで、自己承認が得られます。

承認欲求が満たされると、自分の存在価値に自信を持つことができますが、欲求が満たされないと、劣等感や無力感を感じることになります。

ただし、マズローは、低いレベルの承認欲求にとどまり続けることは危険だと言っています。
これについては、あとでもう少し詳しく説明します。

自己実現の欲求(第5段階)

第4段階までの欲望が満たされると、かなり充実した生活を送れるようになります。
実際、世の中の多くの人は第4段階以下の欲望にとどまっています。
しかし、中には、「今やっていることは本当に自分に向いていることなのか?」、
「自分の持つ能力を最大限に発揮できるのか?」と疑問に思う人が出てきます。

自己実現の欲求とは、自分の能力を最大限に発揮して、自分らしく生きたい。
という欲求です。

「今やっている仕事は給料もいいし、ある程度の役職にも就けた。このまま行けば生活は安泰かもしれないが、自分には本当にやりたいことが別にある。だから、収入は半分以下になるけど、会社をやめて独立しよう。 」 という人がたまにいます。

周りの人は、「何をバカなことを言ってるんだ!」と思って止めますが、本人は至って大まじめで、本気です。なぜなら、自己実現の欲求に駆られているのですから。

マズローは、自己実現者の特徴として、

  • 自分や他者をあるがままに受け入れる
  • 自分の使命を理解している
  • 人が共同体の一部であることを意識し、共同体に貢献するように行動する
  • 高い倫理観を持ち、手段よりも目的を重視する
  • いずれかの分野で優れた独創性や創造性を持っている 

など、15項目を挙げています。

さて、ここまでで、マズローの5段階の欲求について説明しました。
あなたはどの段階に属していますか?

人はどうすれば幸せになれるのか?

欲求は人間の本質です。欲求が満たされれば人は幸せを感じます。
ただ、これまで説明したように、人間の欲求には段階があります。
ある段階の欲求が満たされると、それはもう欲求ではなくなり、より高次の欲求を求めるようになります。

このため、低次の欲求を満たされることによって感じられる幸せは、それほど大きなものではなく、長くは続きません。

あなたが今どの段階に属しているかがわかれば、自分が何を求めているのか、そして何が得られれば、より、幸せになれるかが見えてくるのではないでしょうか。 

もう一度何のために働くのか考えてみよう

ここで、もう一度何のために働くのか考えてみましょう。
お金を稼ぐことが目的なのでしょうか? 

実は、お金を稼ぐということは、手段であって目的ではありません
お金を稼いだらそのお金で何をするのかということが目的になります。

残念ながら、お金で手に入れられるのはマズローの5段階欲求のうち、せいぜい生理的欲求と安全の欲求だけです。 

十分なお金がなく日々の生活も苦しい人は、「お金さえ手に入れば幸せになれる」と思うかもしれませんが、低次の欲求が満たされていないからそう思ってしまうのです。

実際には、低次な欲求が満たされているお金持ちには、より高次な欲求があり、必ずしも幸せとは限りません。

一生暮らしていくのに十分なお金があったとしても、
信頼しあう仲間や、愛する家族がいなければどうでしょう?
他人から認めらていなかったり、自分自身を信頼できていなかったらどうでしょう。
自己実現ができていなかったらどうでしょう。

こう考えると、財を成して全てを手入れたかに見える大富豪が、晩年に社会貢献に傾倒するのもうなづけます。

働いた対価としてお金をもらうことは当然のことですし、悪いことではありません。
ただ、お金を稼ぐことが目的になってしまうと、低次の欲求しか満たすことができないのです。

食べるためだけに働くよりも、
安心して安定した生活のために働くほうが幸せ
仲間と一緒に、愛する家族のために働けばもっと幸せ
仕事で成果を上げて他人に認められたり、自分自身を信頼できたらさらに幸せ
そして、仕事を通じで自己実現ができたら、最高に幸せ
ではないでしょうか。

他人からの承認欲求が強すぎるとはなぜ危険なのか

他人からの承認欲求とは、わかりやすく言うと

  • 人にほめられたい
  • 人から認められたい
  • 人から評価されたい

といった気持ちです。
じつは、SNSで「いいね」を欲しいと思うのは、承認欲求の最たる例です。

人からほめられると「うれしい」と思うのは自然な気持ちで、
それが何かをするモチベーションになっているうちは良いのですが、
承認欲求が強くなりすぎると、

  • 「他人の期待に応えなければいけない」という気持ちが重圧になってしまう。
  • 他人から評価されるために、自分がやりたくもないことを無理してやってしまう。
  • 自分のやったことが、価値のあることなのか、人に評価されないと判断できない
  • ミスをして叱られると凹んでしまい、何日も立ち直れない

といった状態に陥ってしまい、場合によっては精神を病んでしまうこともあるので、とても危険です。 他人からの承認に依存しすぎないように注意してください。

そういう私も、実は、他人からの承認欲求が強いタイプです。
でも、マズローの5段階欲求を知ってからは、
「他人がどう思うか」より、「自分がどう思うか」のほうが大切だよ! 
と、自分に言い聞かせてるようにしています。

まとめ

マズローの5段階欲求は、低次のものから順に

  • 生理的欲求
  • 安全の欲求
  • 社会的欲求
  • 承認の欲求
  • 自己実現の欲求

の5つがあり、低次のものから現れて、一つの欲求が満たされると、より高次な欲求が現れます。

自分が今どの段階に属しているかがわかれば、どうすれば幸せになれるのか、
さらに、もっと幸せになるにはどうしたらよいのかが見えてくると思います。

マズローの5段階欲求説を踏まえると、 幸せな働き方とは、

仕事を通じて自己実現をできている状態、あるいは自己実現しようとしている状態

だと思います。
使命感を持ち、自分の能力を最大限に活かして、社会に貢献していれば、きっと幸せを感じられると思います。

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