ん~ ほとんどおんなじ意味じゃない? と思ったあなた!
実は、この2つはかなり違うんですよ。
それでは、もう一つ質問です。
この世の中は、「平等」であるべきだと思いますか?
それとも「公平」であるべきだと思いますか?
自分なりの答えを考えてからこの先を読んでみて下さい。
2つの言葉の意味
まずは2つの言葉の意味を確認してみましょう
平等
偏りや差別が無く、みな等しいこと
出展:wikipedia
平等のほうは分かりやすいですね。
簡単に言うとみんな同じという事です。
続いて公平を見てみましょう。
公平
公に平らなこと、すなわち一定の集団において、偏らないということである。
人間には、「先に手を出したもの勝ち」とか、偏り、えこひいき、仲間外れなどがつきものである。公平とは、義務履行の結果として、平らに報じるとの概念である。
集団において「公平」を目指し、公平に物事を進めるためには、その集団における個の軽重に拠らない。
従って、個人の利益を優先したり、個人の主観で判断することは避けなければならず、このため公平無私という概念も存在する。出展:wikipedia
公平のほうはちょっと説明が長いですし、分かりにくいですね。
ポイントとしては、「義務履行の結果として、平らに報じるとの概念」という部分だと思います。
ここで一つの例を考えてみましょう。
A君、B君、C君の3人が荷物を運ぶ仕事をしました。
荷物の数は12個ありました。
A君はやる気があったので積極的に仕事をして5個の荷物を運びました。
B君は4個の荷物を運びました。
C君はあまりやる気がなかったので3個しか運びませんでした。
3人は荷物を運んだお礼として、12,000円をもらいました。
さて、あなたは、この3人が12,000円をどうやって分けるべきだと思いますか?
①3人で運んだのだから、3等分して、一人4,000円づつ分ける
②運んだ荷物の数に応じて、A君=5,000円、B君=4,000円、C君=3,000円で分ける
①の考え方が、平等です。
みんな同じということです。
②の考え方が、公平です。
義務履行の結果=運んだ荷物の数 に応じて報じるということです。
平等と公平の例
他の例も考えてみましょう。
運動会の徒競走
- 走るのが速い子も、遅い子もいるけど順位は付けず、
みんなに同じ賞品を与える。これは平等ですね。 - 速くゴールした子から順位を付け、順位に応じた賞品を与える。
これは公平です。
私はそんなことはナンセンスだと思います。
だって、実際には順位があるのに順位を付けないってことは、
現実から目を背けているだけとしか思えません。
子供の頃から、負けることにも慣れておくべきだと思います。
食事の代金
数人でレストランに食事に行きました。
たくさん料理を注文してお酒を飲んだ人もいましたが、
料理もあまり食べず、お酒も飲まない人もいました。
- 皆でワリカンで、同じ代金を払うのが平等です。
- 食べたり飲んだりした量に応じてお金を負担するのが公平です。
だいたい、「じゃあワリカンで一人○○円ね~」と言い出す人は、
たくさん食べて飲んだ人です。
最初からワリカンにするつもりだった確信犯です。
サラリーマンの給料
- 新入社員から、中堅社員、課長、部長、そして社長まで、
全員同じ給料なのは平等です。 - それぞれの社員の能力や責任、成果に応じて給料に差をつけるのは公平です。
そんなことをしたら、社員のモチベーションが保てません。
どうですか?
平等と公平の違いが分かってきたんじゃないでしょうか?
個人の能力や、努力、成果とは関係なく、皆同じように処遇するのが平等です。
一方で、能力や、努力、成果に応じて処遇を変えるのが公平です。
あなたは、どちらの世の中がいいと思いましたか?
私は、平等な世の中なんてまっぴらご免です。
何もかも平等になってしまったら、努力する気が失せます。
新入社員も社長も同じ給料、そんな会社に入って努力しようと思いますか?
オリンピックのようなスポーツ競技も成立しなくなってしまいます。
私は、
平等というのは共産主義的な考え方
公平というのは資本主義的な考え方 のような気がします。
平等と公平の共通点は、スタート地点や与えられたチャンスは同じという事です。
- 徒競走の例では、どちらもみんな一斉に同じところからスタートします。
- 食事の例では、どちらも最初はみんな何も食べておらず、何を注文するかは個人の自由です。
- 給料の例では、どちらも最初はみんな新入社員でした。
平等と公平の相違点は、スタート後の過程が違った場合、ゴールや結果が同じかどうかという事です。
男女平等について
「男女平等」という言葉があります。
性別によって差別をしてはいけないという考えには賛成です。
大学受験で、男女を差別した件は、断じてあってはならない事です。
しかし、時に、「男女平等」が間違った方向に向かうこともあるような気がします。
例えば、昨年、女性議員を増やすための「候補者男女均等法」が成立しました。
議員の男女比率を同じにしよう、というものです。
男性と女性に同じように機会やチャンスを与えて、結果として男女比率が同じになる。
というのであれば大いに賛成ですが、
議員の男女比率を同じにするために、「男女の候補者数を同じにしろ」というのは
ちょっと違うんじゃないかと思います。
そもそも、議員になりたいという男性と女性の数は同じなのでしょうか?
無理やり候補者数を同じにすることは、能力ややる気がある男性候補者の
機会を奪う事にはならないでしょうか?
近年は、会社でも同じようなことがあります。
女性管理職の比率を上げようというものです。
能力があるのに、「女性だから」という理由で管理職になれないというのはやめるべきです。
しかし、管理職の女性比率を上げるという目的ありきで、
ふさわしい能力がない人まで昇格させてしまうのは反対です。
そんなことをしたら、社員のモチベーションが低下します。
女性管理職の比率を上げるのであれば、採用、人材育成などを含めた人事戦略を立て直して、長期計画で取り組むべきです。
そもそも、私は男と女はそれぞれ得意、不得意があって同じではないと思っています。
例えば、男と女を比べたら、一般的に男のほうが力持ちです。
だから重い荷物を男が持つ事は否定しません。
また、痴漢の被害を受けやすい女性のために「女性専用車両」を設けることも否定しません。
これらは公平なことだと思うからです。
しかし、もし「男女平等」を声高に言うのであれば、
「重い荷物は男が持つ」という考えや、「女性専用車両」などもやめるべきです。
これらは、男女不平等だからです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
平等と公平の違いをお分かりいただけたでしょうか?
平等と公平は同じような意味と思われがちですが、
実は平等は不公平であり、公平は不平等なのです。
私は、世の中は公平であるべきだと思います。
あなたは、平等な社会と公平な社会のどちらが良いと思いましたか?
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