あなたの子供が、将来ユーチューバーになりたいと言ったらどうしますか?
ソニー生命保険が実施した「中高生が思い描く将来についての意識調査」
によると、男子中学生のなりたい職業No.1はYouTuber、女子でも7位になっています。
順位 | 男子中学生 | 女子中学生 |
---|---|---|
1 | YouTuberなどの動画投稿者 | 歌手・俳優・声優などの芸能人 |
2 | プロeスポーツプレイヤー | 絵を描く職業(※) |
3 | ゲームクリエイター | 医師 |
4 | ITエンジニア・プログラマー | 公務員 |
5 | 社長などの会社経営者・起業家 | 看護師 |
6 | 公務員 | ショップ店員 |
7 | ものづくりエンジニア | YouTuberなどの動画投稿者 |
8 | プロスポーツ選手 | 作家・ライター |
9 | 歌手・俳優・声優などの芸能人 | 動物園や水族館の飼育員 |
10 | 会社員 | 教師/デザイナー/美容師 |
※漫画家・イラストレーター・アニメーター
出展:中高生が思い描く将来についての意識調査 SONY生命保険
いや、もしかしたら、あなた自身が「会社を辞めてユーチューバーにでもなろうかな」と思っているかもしれませんね。
ここ数年、トップユーチューバーが年収○○億円! なんていう話を聞くと、
好きなことをやって、そんなに稼げるなら、自分もやってみたいと思うのも無理もありません。
ユーチューバーがどのような仕組みで収入を得るのか、
そして、どのくらいの収入を得ているのか探ってみましょう。
ユーチューバーが収入を得るしくみ
YouTubeは、ユーチューバが作成した動画と広告によって成り立っています。
- 企業がYouTubeを運営するGoogleと提携して広告の掲載料を支払う
- ユーチューバーは動画を制作してYouTubeにアップロードする
- ユーザーが動画を再生すると、動画とともに広告が表示される
- 広告の表示回数や広告のクリックに応じた報酬がユーチューバーには支払われる
基本的な仕組みは上記のとおりですが、この他にも通称「企業案件」というものがあります。
企業が影響力のあるユーチューバーに自社の商品やサービスを紹介する動画の作成を依頼します。
この場合は、ユーチューバが制作した動画自体が広告となます。
TVの通販番組のようなものですね。
ユーチューバーのメリットデメリット
ユーチューバーのメリット
- 学歴や資格に関係なく、思い立ったら誰でも即ユーチューバーになれる。
- スマホひとつあれば始められるので初期投資が不要
- いつ、どこで、どれだけ働くかを自由に決められる
- トップユーチューバーになれば、高収入が期待できる
- トップユーチューバーになれば、有名人になれる
- コメントを通じて自分の動画に対する反響が得られる。
最大のメリットは、ユーチューバーになろうと思ったら、誰でもすぐになれるという事でしょう。
投稿した動画がヒットして再生数が伸びれば、高収入が期待できるかもしれません。
ユーチューバーのデメリット
- ユーチューバーとして生計をたてられている人はごくわずか
- トップユーチューバーになるには個人だけでは難しい
- 自分のプライバシーを晒すことになる
- 参入障壁が低いためレッドオーシャンの市場になっている
- 日々、新しい動画の企画を考えないといけない
- チャンネルを削除されると突然収入がなくなるリスクがある
最大のデメリットは、動画の再生数が伸びなければ、ほとんど収入は得られないという事です。
また、メリットのところで説明したように、誰でも簡単になれるため、参入障壁が低く、既に競争過多の状況になっています。
さらに、稼げるようになっても、チャンネルを突然削除されると、突然収入がなくなるといったリスクもあります。
ユーチューバーの仕事内容
- 動画を企画する
- 撮影の準備をする
- 動画を撮影する
- 動画を編集する
- 動画を公開する
まずは、面白い動画を考える企画力が必要です。
ただ自分が面白いと思ったことを、動画にしてアップすれば
皆が見てくれるというほど簡単なものではありません。
ユーザーがどんな動画を見たいかをリサーチして、ニーズに合った動画を制作する企画力が必要です。
この作業の中で、動画の編集作業は特に手間と時間がかかります。
魅力的な動画に仕上げるためには、様々な効果を入れたりして
手の込んだ編集が必要になってきます。
数分の動画でも凝った編集をすると数時間かかります。
初心者のユーチューバーはこれらの作業を全て自分でやりますが、
ユーチューブで生計を立てているレベルの人になると
この中のいくつかの作業を外注したり、複数の人で分業している人がほとんどです。
本人は動画の企画と撮影には参加しますが、
撮影担当、編集担当、公開担当者は別にいるといった形です。
仕事外注サイトのランサーズなどを見ると、これらの作業の請負案件も多くあります。
つまり、トップユーチューバーともなると、個人でこなせるレベルの仕事量ではなく
もはや会社組織と同じように人手や経費をかけて運営しているのです。
ユーチューバーはどのくらい稼げるのか
YouTubeで得られる収入のしくみを公開することは規約で禁止されているので、ユーチューバーがどの程度の収入を得ているのか正確なところは分かりません。
一般的には、1再生あたり0.1円と言われていますが、
- 全員が同一の単価ではなく、トップユーチューバーは単価が高い
- 一本の動画にどんな広告を入れるかで収入が変わってくる
- 再生回数だけでなく、動画の視聴時間にも基づいて報酬が支払われる
など、得られる収入は様々な要素で決まってくるので、
単純に再生回数だけでは決まりません。
ただ、仮に、動画再生1回当たりの収入が0.1円だとして、
月に20万円稼ぐには、200万回再生が必要です。
月に200万再生を得られるユーチューバーがどれだけいるでしょうか。
詳しい統計はないので、噂話程度の情報ですが、ヒカキン、はじめしゃちょー、ヒカル、ラファエルなどのトップユーチューバーが年に億単位で稼ぐ一方、
大多数のユーチューバーが得られる収入はせいぜい月に数百円から数千円だそうです。
自分の収入を暴露しているユーチューバーもいますが
そこそこ有名なユーチューバーでも、月に数万円しか稼げていないという事もあります。
収益化の要件
YouTubeに動画を投稿して1回でも再生されればお金を稼げるわけではありません。
2018年にYouTubeの収益化の要件が厳しくなり、
以下の条件を満たさないと、いくら動画を投稿して再生されてもお金になりません。
- 過去12か月間の総再生数が4,000時間以上
- チャンネル登録者数が1,000人
- チャンネル合計視聴回数が10,000回以上
新規に参入する人にとってはかなり厳しい条件だと思いませんか?
つまり、
収益化(お金を稼ぐ)のハードルは高いのです。
企業案件
企業案件の場合は、報酬はチャンネル登録者数×1.5円くらいのようです。
チャンネル登録者数が10万人いれば、15万円ということですね。
ただし、そこそこ収入が得られる影響力があるユーチューバーにならないと企業案件は得られません。
まとめ
ユーチューバーになって一攫千金というのは、可能性としては「0」ではありません。
ただし、自由な時間に自分の好きなことをやってお金を稼げるような甘い世界でないことは間違いありません。
誰でもすぐにユーチューバーになれるので、参入者が多く、競争が厳しい世界です。
さらに、収益化には高いハードルがあり、動画を数十本投稿したけど一円にもならない...
ってことも覚悟しておかなくてはいけません。
ユーチューバーになるのは簡単です。
でも、ユーチューバーで生きていけるほど稼ぐのは簡単ではありません。
もし、私の子供がユーチューバになりたいと言いだしたら、
子供の可能性はつぶしたくないので、「やってごらん」と言いますかね。
ただ、規約関連は厳しいので、そういう面は親がフォローしたほうが良いと思います。
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