ビジネスマンとしてのスキルを磨きたい人に贈る、心掛け
も3回目となり、今回は最終回の「課長編」をお送りします。
(第1回)若手社員編、(第2回)中堅社員編は、以下の記事をごらんください。


さて、課長さんともなると、責任も重くなり毎日大変だと思います。
私は、会社の中でも課長さんが一番大変な仕事ではないかと思います。
だからこそ、サラリーマンとしてのキャリアを課長で終えることなく、次のステップに進んでください。
そのためにも役立つ、課長さんに心がけてほしい事、5選をお送りします。
部下の仕事の成果を最大化するのがあなたの仕事です
課長になったあなたは、人並み以上に仕事ができる優秀なプレイヤーだと思います。
でも、いつまでも優秀なプレイヤーの気分でいてはいけません。
管理職になった以上、あなたがやらなければいけない事は、マネージメントです。
ここは、明確に頭を切り替えていかなければなりません。
マネージメントとは、一言でいうと、
「部下の能力を引き出し、モチベーションを高めて最大限の成果を上げてもらうこと」
だと思います。
そのためには、以下のようなことを行ってください。
- 部下の能力を把握する
- 能力に応じて適切に仕事を配分する
- 部下が働きやすい環境を整える
- 部下の仕事量が許容値を超えていないか気を配り、必要に応じて調整する
- 部下の成果を公正に評価する
部下のモチベーションを高める方法については、別の記事でまとめたいと思います。
管理職になったのに、自分で実務を担当してバリバリ仕事をする人を、「プレイングマネージャー」といいます。
プレイングマネージャーがなぜいけないかというと、
課長が実務を担当すると、実務に追われてマネージメントをおろそかになってしまうからです。
課長個人としては高い成果が出ますが、組織としての成果は最大化できません。
プレイングマネージャーは、仕事ができる人の自己満足に過ぎないのです。
極論を言うと、マネージャーは自分で実務をできなくてもいいんです。
部下の仕事の成果を最大化できれば、マネージャーとしての役割は果たせます。
なお、自分で実務を担当しないからと言って、部下の手柄を自分のものにするのは最悪です。
そんなことをすると、部下のモチベーションはダダ下がりで、部下からの信頼も失います。
くらいの心構えで行きましょう。
何をやらないかを決める
課長さんになるような人は、たいてい責任感が強くて真面目な人です。
責任感が強くて真面目な人の中には、やるべきことをリストアップして、全てやろうとする人がいますが、
結論から言うと、
「やったほうがいい事を全てやろうとしてはダメです。」
例えば、業務マニュアルというのはあったほうが良いです。
ただ、マニュアルの中には、作ったはいいけど二度と誰も見ないというものも存在します。
皆が見て活用されるマニュアルは作るべきですが、誰も見ないマニュアルは作る労力がムダです。
マニュアルはあったほうがいいから、と盲目的に全ての作業マニュアルを作成するのではなく、
「このマニュアルは無駄だから作らない」という選択が必要なのです。
限られた経営リソース(ヒト、モノ、カネ)を活用して、最大限の成果を上げるには「選択と集中」が必要です。
「選択と集中」とは、裏を返すと、「何をやらないかを決める」ということです。
やったほうがいい事を全てやろうとすると、リソースが分散してしまい、
本当にやらなければいけない事にかけられるリソースが不足してしまうのです。
課長さんは、組織の責任者として様々なことを判断し、決断しなければなりませんが、「何かをやらない」という決断は、なかなか難しいことです。
やったほうがいい事を「やる」といって、文句を言われることはまずありませんが、
やったほうがいい事を「やらない」というと、批判を受けることもあります。
特に、今までずっと続けてきたことをやめようとする場合は、抵抗を受けることもあります。
「やらない」という決断をしてください。
自部門の利害だけで物事を判断しない
課長さんは課の責任者ですから、自分の課や部下を守らないといけません。
しかし、仕事をめぐって、他部門と調整をするときに、自部門を守ろうとするあまり、
自部門の利害だけで物事を判断してはいけません。
判断に迷ったときは、より上位の目的は何だろう?と考えると良いと思います。
あなたの課の利害よりも、会社の利害のほうがより上位の目的です。
時には、会社の利害のために、あなたの部門の利害に反する決断もしなければいけません。
全体最適(会社の利害)を重視してください。
新しい仕事を作り出す
会社の中の課長さんの基本的な役割は、
経営陣や部長が決めた経営方針、事業戦略に沿って実行計画を立て、
部下をマネジメントして計画を実行して成果を出す事です。
だからといって、上が決めた事をやるだけではなく、新しい仕事を作り出すのも大事な役割です。
商品やサービスを企画したり開発する部門であれば、普段から新しい仕事を作りだすことを心掛けていると思いますが、
それ以外の部門も、時代の変化に合わせて、自部門の仕事のやり方を革新していく意識が必要です。
例えば、自部門が従来やっていた業務の一部をアウトソーシングして、より付加価値の高い業務にシフトするといったことです。
課長さんであれば、自分たちの部門で年間でどのくらいの費用が掛かっているかを把握していると思います。
あなたの部門は、その費用以上の付加価値がありますか?
たまには外に出て、他社もベンチマークしてみると良いでしょう。
あなたがいなくても回る組織を作る
私が課長になった時の話ですが、新任課長の研修で、
「あなたがいなくても回る組織を作りなさい」
と言われて衝撃を受けました。
それまでの私は、
「会社にとって、なくてはならない存在でありたい」と思っていたので、
「自分がいなくても回る組織を作ったら、私はもう要らないじゃないか?」
と思ってしまったんですね。
でも、今はその意味をよく理解しています。
あなたは、永久に今の課の課長のままでいるわけではありません。
昇進して部長になるかもしれませんし、定年で退職するかもしれません。
もし、あなたがいないと回らない課を作ってしまったら、
あなたは昇進することも、引退することもできません。
あなたの課の組織力を強化して、
あなたの後を安心して任せられる後継者を育て、
あなたがいなくても回る組織にしないといけないのです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、課長さんに心がけて欲しいことを解説しましたが、
この中でもし一つだけ選ぶとすれば、5番目ですね。
ぜひ、あなたがいなくても回る組織を作ってください。
- 部下の仕事の成果を最大化するのがあなたの仕事です
- 何をやらないかを決める
- 自部門の利害だけで物事を判断しない
- 新しい仕事を作り出す
- あなたがいなくても回る組織を作る
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